従来の鶏卵培養法より短期間でのワクチン製造が望める
田辺三菱製薬株式会社は9月27日、季節性インフルエンザの予防をめざした植物由来VLP(Virus Like Particle)ワクチンについて、子会社のカナダ・メディカゴ社が、カナダ、米国、欧州、アジアを含む7か国で第3相臨床試験を開始したことを発表した。
メディカゴ社は、植物由来のVLP製造技術を用いた新規ワクチンの研究開発で先端を走るバイオ医薬品会社。植物の細胞内にVLPを生成させ、効率的に抽出・精製する独自技術を有している。VLPは、ウイルスと同様の外部構造をもち、ワクチンとしての高い免疫獲得効果(有効性)が期待されている。
メディカゴ社の製造技術は遺伝子組換え技術を使用しているため、製造開始に必要なものは流行株の遺伝子情報のみ。また、一過性の遺伝子発現であるため、従来の鶏卵培養法と比べて大幅に短い期間でワクチンを製造することが望めるという。
同社は、北米における2020年のインフルエンザシーズンに間に合う上市のタイミングをめざして、開発を進めるとしている。
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・田辺三菱製薬株式会社 ニュースリリース