がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発胃がんに対して
小野薬品工業株式会社と米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は9月22日、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体「オプジーボ(R)点滴静注20mg、100mg」(一般名:ニボルマブ)について、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表した。
オプジーボは、PD-1とPD-1リガンドの経路を阻害することで身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化する免疫チェックポイント阻害薬。日本では、小野薬品が2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売した。その後、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能又は転移性の腎細胞がん、2016年12月に再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、2017年3月には再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんに対する承認を取得している。
統計学的に有意なOSの延長示す
今回の承認は、日本人を含む標準治療が不応または不耐の切除不能な進行または再発胃がん(食道胃接合部がんを含む)患者対象の国際共同第3相臨床試験「ONO-4538-12/ATTRACTION-2試験)の結果に基づいたもの。同試験で、主要評価項目の全生存期間(OS)(中央値[95%信頼区間])が、オプジーボ群で5.26か月(4.60-6.37)と、プラセボ群の4.14か月(3.4-4.86)に対して統計学的に有意な延長を示したという(ハザード比0.63[95%信頼区間:0.51-0.78]、p<0.0001[層別log-rank検定])。12か月の生存率は、オプジーボ群で26.2%、プラセボ群で10.9%だった。グレード3以上の薬剤に関連する有害事象(AE)は、オプジーボ群11.5%、プラセボ群5.6%で発現。薬剤に関連するAE(グレードを問わず)により、オプジーボ群2.7%およびプラセボ群2.5%で治験薬の投与が中止された。
なお、今回の承認条件は「医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること」。小野薬品は、この承認条件に従い、安全性および有効性に関する臨床データを収集し、同剤の適正使用に必要な措置を講じていくとしている。
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・小野薬品工業株式会社 ニュースリリース