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東京慈恵医科大学 データ操作問題についての中間報告を発表

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2013年08月02日 PM06:13

降圧薬「」臨床試験のデータ操作問題

東京慈恵医科大学は、7月30日、臨床試験「Jikei Heart Study」に関する調査の中間報告書を発表した。臨床試験は2002年から2005年まで同学附属病院で行われたノバルティス社の降圧薬「バルサルタン」の心血管病の予防効果を検証したもので、2007年に英国の医学雑誌ランセットに掲載された。しかし、解析段階で意図的なデータ操作があったことが指摘され、調査委員会が調査を行っていた。

今回報告された中間報告では患者カルテと論文データを照合し、統計解析段階で血圧値データの一部に人為的な改ざんがあることが判明。データ解析を行ったのが大阪市立大学の肩書きを持つ元ノバルティス社員であったことが報告された。

(この写真はイメージです)

両者の意見は食い違ったまま 論文は撤回へ

報告書では元ノバルティス社員の事情聴取も行なっている。元社員は責任ある立場でデータ解析などをしたことはない、また論文中の図表も提供していないと供述。データ解析および図表の作成を元社員が行ったという大学側の医師・教授の供述とは真っ向から食い違っている。

報告書では医師らの供述や、元社員がデータ解析を行った証拠資料が存在することから、元社員側の供述に矛盾が多く全体として信用出来ないと判断している。

調査委員会の報告を受け、本研究の研究責任者は論文の撤回を申し出ることになった。また、今回の問題の検証結果についてもランセット側に報告する予定。(岩木智子)

▼外部リンク

慈恵医科大学「Jikei Heart Study」に関する調査について(第2報;中間報告)
http://www.jikei.ac.jp/news/20130730.html

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