体重による差別、身に覚えがありますか?
体重による差別のある社会では、余計に肥満の人の割合が増えるという皮肉な結果が報告されました。フロリダ州立大学の調査です。
差別と言っても色々なものがありますが、からかわれたりいじめられたりと言ったことから、体重(体型)制限のある求人など、色々な状況が挙げられます。
調査対象となったのは、6157人の男女。2006年から2010年の身長、体重を分析の対象としました。これまでに体重による差別を受けたことが、BMIに関係するか分析しました。すると、過去に体重による差別を受けたとした人の間では、BMI30以上の肥満になる人が、2.5倍にも上ったのです。特に、調査開始時に、すでに肥満の状態にあった人たちで、体重による差別をした人の間では、調査終了時の肥満である人の割合が3倍高くなっていました。
また、一方で、性別や人種に対しての差別を受けたという人と、肥満には関連がなかったため、単純に差別を受けることによるストレスといった考え方はあてはまらないことになりました。
体重による差別ではモチベーションは上がらない
例えば、制服のサイズに上限があれば、ダイエットせざるを得ないというような状況など、何らかの形で制限を設けることで、肥満を解消するモチベーションにつながるという考えを持つ人もいます。けれども、今回の研究成果から、体重による差別で減量へのモチベーションを上げるどころか、より状況を悪くすることが分かりました。肥満の解消って難しいですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Perceived Weight Discrimination and Obesity
http://www.plosone.org/article/