■焦点は「やむを得ず廃棄」
日本病院薬剤師会関東ブロック第47回学術大会が26、27の両日、前橋市内で開かれ、抗癌剤の曝露対策をテーマにしたシンポジウムでは残液を廃棄した場合の保険請求をめぐって議論になった。1バイアルを2人以上の患者に分割投与する薬剤バイアル最適化(DVO)が検討されている中、7月に厚生労働省は使用量に応じて請求するよう疑義解釈通知を発出した。ただ、“やむを得ず廃棄”した場合はバイアル単位で保険請求できるのが現状。そのため、医療現場の薬剤師からは「バイアル単位か使用量単位か選択できると考えていたが、どう解釈すればいいのか」などと意見が相次ぎ、医療機関によって見解の相違がある状況がうかがえた。
シンポジストとして参加した慶應義塾大学大学院経営管理研究科の岩本隆氏は、厚労省通知を踏まえ、「やむを得ず廃棄した分をどう保険請求するかが今後の課題」と指摘した。実際に通知発出後、医療現場では「1バイアルを1人の患者に投与し、残液を廃棄した場合はバイアル単位で保険請求できるのか」などとその解釈で混乱が生じた。