カイコで量産したリコンビナントタンパク質を用いたPT試薬
シスメックス株式会社は8月17日、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓が原因とされる疾患への抗凝固療法モニタリング主要検査項目である、プロトロンビン時間(PT)の測定試薬「レボヘム PT」を国内で発売したと発表した。同試薬は、主要成分の組織因子に、カイコで量産したリコンビナントタンパク質を用いたPT試薬。
画像はリリースより
虚血性心疾患および脳卒中は、血栓が原因とされており、それらの治療には抗凝固療法が広く普及している。PT検査は、抗凝固療法に用いられるワルファリンのモニタリングなどを目的とした血栓止血検査の主要検査項目。従来のPT試薬は、組織因子にウサギ大脳・ヒト胎盤など動物由来の原料を使用しており、原料の安定した調達に課題があった。
溶解性・溶解後安定性に優れた試薬を実現
今回発売したレボヘム PTは、同社の生産技術「カイコ・バキュロウイルス発現系」を用いたリコンビナントタンパク質を適用することで、安定した原料生産が可能に。また、リコンビナントタンパク質と合成原料を用いることで、ロット間差を低減するとともに、溶解性・溶解後安定性に優れた試薬を実現したという。
なお、同試薬は「全自動血液凝固測定装置 CSシリーズ」、「全自動血液凝固測定装置 CAシリーズ」および「半自動血液凝固測定装置 CA-101/104」で使用が可能。同社は今後、このリコンビナントタンパク質生産技術を他検査項目試薬にも展開していきたいとしている。
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