若いときから不健康な生活をしていると、年をとってからツケが回ってくることが科学的に証明されました。
1999年から2001年に65歳だったフランスのDijon市の人たちに対して、若い頃からの生活状況の聞き取りを行いました。特に喫煙歴、食生活、運動習慣、飲酒について詳しく情報収集しています。そして、その後12年間にわたって、健康状態を観察しました。最終的な分析の対象となったのは、男性1572、女性2410人の合計3982人。
約3割が、12年の間に何らかの障害を抱えるようになりました。障害を抱える割合は、65歳から70歳で1000人に3.4人、90歳を超えると1000人に288人と年齢を重ねるごとに高くなっています。
不健康な生活習慣と、障害を抱えるリスクの関係では、野菜や果物を毎日食べていない 24%、15年前までにさかのぼって煙草を吸っている 26%、生活活動強度が中程度以下 72%となりました。不思議なことに(?)飲酒に関してはリスクとの関連性が見られなかったそうです。
また、これらの悪しき生活習慣を立ちきれなかった人では、認知能力の低下、メタボ、うつ、慢性の病気、心臓血管系の病気などを抱える人が多くなっていました。
ツケは後からやってきます。タバコのように止めてから10年経っても、まだ影響を及ぼすことすらあるのです。「まだ大丈夫」と思っても、もう遅いかもしれません。不摂生の自覚がある人は一日も早く軌道修正することを心がけましょう。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Unhealthy behaviours and disability in older adults: Three-City Dijon cohort study
http://www.bmj.com/content/347/bmj.f4240