14の適応症に対しても開発が進むオラパリブ
英アストラゼネカと米メルク・アンド・カンパニーは7月27日、複数のがん種を対象として、アストラゼネカのオラパリブを共同開発・商品化する戦略的提携を世界的に合意したと発表した。
オラパリブ(商品名: LYNPARZA(TM))は、経口ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤。複数の前治療歴のあるBRCA遺伝子変異陽性卵巣がんの治療薬として、海外では既に承認されている。また、同剤のパイプラインは、近年著しく拡大しており、現在、乳がん、前立腺がん、および膵臓がんなど14の適応症に対して開発が進展。今回の戦略的提携によって、さらに幅広い治療選択肢を患者に提供できることが期待される。
MEK阻害剤セルメチニブも共同開発予定
今回の提携により両社は、オラパリブを単独療法および他開発品との併用療法として、共同開発ならびに製品化を進めていく。一方で、両社は個々に、それぞれの抗PD-L1抗体デュルバルマブ(商品名: IMFINZI(TM))(日本未承認)および、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ(R))とオラパリブの併用について、開発・製品化していく予定だという。
また両社は、アストラゼネカが現在開発中のMEK阻害剤「セルメチニブ」についても共同開発ならびに製品化を進める予定。セルメチニブは、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路の一部であるMEKの強力かつ選択的な経口阻害剤で、現在、甲状腺がんを含む複数の適応症において開発が行われている。
なお、両社はオラパリブとセルメチニブから得られる総利益と同様に、開発およびマーケティングに関わる費用を同等に負担する。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース