日本製薬工業協会の研究開発委員会は、2025年の製薬業界のあるべき姿を明示した「産業ビジョン2025」のビジョン実現に向け、昨年度に部会活動を越えて取り組むべき重点課題として、五つのタスクフォースを立ち上げた。
同委員会は35社が加盟し、基礎研究から臨床試験を担当範囲に活動を行う。タスクフォースは、▽先端創薬実現に向けた産産連携▽前向きコホート研究▽創薬支援ネットワーク推進支援▽バイオバンクの創薬活用▽天然物創薬――の五つ。それぞれで参画するメンバー企業が中心となって活動を推進している。各社が共同で化合物を利用する「化合物ライブラリコンソーシアム」での実績から、年間の重点活動とは別にタスクフォースを設置することになった。
特に産業ビジョンで掲げられた「先進創薬で次世代医療を牽引する―P4+1医療(予測的・予防的・個別化・参加型・進歩的)への貢献」の実現がテーマの一つ。健常人を対象とした追跡調査を通じて健康・医療データを収集・解析する前向きコホート研究のタスクフォースでは、産業界でも利用しやすいデータベースを保有する東北MMB機構との連携を推進する。定期的な意見交換会を開催し、6月には製薬協内に遠隔でバイオバンクデータを閲覧するスペースを設置。中長期的視野に立った産学官連携によるコホート研究の実施体制を検討する。