中間解析の結果に基づくDSMBの勧告
大日本住友製薬株式会社は6月26日、開発中のがん幹細胞性阻害剤ナパブカシンの胃または食道胃接合部腺がん患者を対象とした国際共同フェーズ3試験のBRIGHTER試験について、事前に計画された中間解析の結果による独立データモニタリング委員会(DSMB)からの勧告を受け入れ、同試験の盲検を解除することを決定したと発表した。
DSMBは、ナパブカシンの安全性上の懸念は認められないが、同試験の終了時に、ナパブカシン群が対照群に比べて、主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を示す見込みは低いと判断。これにより、同試験は、非盲検下(オープンラベル)で試験実施計画書に定められた評価項目に従い継続されることになる。
結腸直腸がん・膵がん対象のP3試験進行中
BRIGHTER試験は、米国や日本などで実施されたランダム化、二重盲検の国際共同フェーズ3試験。ナパブカシンの有効性および安全性をweeklyパクリタキセル併用下で、weeklyパクリタキセル単独投与群と比較した。714名のフッ化ピリミジンおよび白金製剤の併用を含む前治療歴のある進行性の胃または食道胃接合部腺がん患者が登録され、ナパブカシンおよびweeklyパクリタキセルの併用群もしくはweeklyパクリタキセル単独投与群に1:1で割付けられた。主要評価項目はOS、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、事前に規定されたバイオマーカー陽性集団でのOS、PFS、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、安全性。
ナパブカシンは、同社の子会社であるボストン・バイオメディカル社が創製し、開発中のファーストインクラスの抗がん剤。STAT3をターゲットとし、がん幹細胞性に関わる経路を阻害する新しいメカニズムの低分子経口剤であり、胃または食道胃接合部腺がんの他に、現在、結腸直腸がん、膵がんを対象としたフェーズ3試験を行っている。
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・大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース