販売元は「データ改ざん確認できない」
2013年7月11日、降圧剤「バルサルタン」臨床結果のデータが改ざんされていた問題で、京都府立医大は不正の事実を認める会見を行った。
販売元ノバルティスファーマ株式会社は
「データの十分な照合がされておらず意図的な『データ操作』があったとは確認できない」
と説明。医療界から不満の声が相次いでいる。
(この画像はイメージです)
名目上の「謝罪」事実追求の意思見えず
ノバルティスファーマは本件について
「研究成果の信頼性をあげることに協力できることがあれば、前向きに取り組みたい。患者様などにはご心配をおかけしていることについて申し訳なく思っている。」
と調査に前向きな姿勢を示す一方、調査委員会に対しては
「担当していた元社員に話を聞きたく協力を求めたが、すでに退職しているとして拒否された。」
と現段階以上の追求をする意思を見せていない。
この体質のままでは同じことを繰り返しかねず、消極的姿勢が気がかりだ。
態度矛盾 抜本的解決への努力を
態度が矛盾していては解決にならない。担当者が1人だからといって退職に伴いすべてがわからなくなるような組織体制はありえない。本来、担当者が退職し、協力を拒否したからといって「わからない」という回答になるはずがないのだ。
名目上「謝罪」なのかもしれないが、原因を追及する意思も事実を開示する意思もないのでは謝罪になっていないのではないだろうか。
これは臨床試験全体の信頼が揺らぐ重大な事態。また、「バルサルタン」は日本で最も売れている医療用医薬品として知られている。たくさんの患者が服薬しているのだ。謝罪の意思があるのであれば、会社責任で関係するものはすべて開示し、具体的な今後の対応策を説明するのが誠意というものではないかと考える。(貝塚 久美子)
▼外部リンク
京都府立医科大学
http://www.kpu-m.ac.jp/
ノバルティスファーマ株式会社
http://www.novartis.co.jp/