オピオイド鎮痛薬治療を受ける患者の40~80%に便秘の副作用
塩野義製薬株式会社は6月7日、オピオイド誘発性便秘症(OIC:Opioid-induced constipation)治療薬「スインプロイク(R)錠0.2mg」(一般名:ナルデメジントシル酸塩)について、同日に発売したと発表した。
画像はリリースより
オピオイド鎮痛薬は、がん性疼痛治療の中心的役割を果たしているが、その副作用が治療目標の達成や治療継続の障害となっている。なかでも便秘は、オピオイド鎮痛薬の治療を受けている患者の40~80%に認められており、身体的負担が大きい。このことから、オピオイド鎮痛薬の副作用の中でも、疼痛管理の妨げとなっているといわれている。
国内で唯一、OICの適応を有する末梢性μオピオイド受容体拮抗薬
スインプロイクは、塩野義製薬が創製し、同社が単独でグローバル開発を進めた初めての医薬品。国内でOICに対する適応症を取得した唯一の末梢性μオピオイド受容体拮抗薬であり、既存のOIC治療とは全く異なるアプローチでOICの症状改善が期待される。
OIC患者対象の国内第3相臨床試験の結果では、プラセボとの比較で、いきみや残便感を伴わない自然な排便の回数を有意に増加した。安全性については、OICを有するがん患者対象の国内臨床試験で、安全性評価対象症例224例中、副作用(臨床検査値異常変動を含む)は67例(29.9%)に認められた。主なものは、下痢49例(21.9%)、腹痛5例(2.2%)であったという。また、OICを有する非がん性慢性疼痛患者対象の国内臨床試験では、安全性評価対象症例53例中、副作用(臨床検査値異常変動を含む)は17例(32%)に認められた。主なものは、下痢10例(19%)、腹痛3例(6%)だったという。
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・塩野義製薬株式会社 プレスリリース