どのような異常が生じているか調べる「がんクリニカルシーケンス検査」
東北大学病院は6月5日、患者のゲノム・オミックス解析や診療情報を活用し、患者一人ひとりに最適な治療を提案するシステム「個別化医療」を推進する取り組みを開始したと発表した。
画像はリリースより
がんは、構造変異や過剰発現など遺伝子の異常が原因で発生する。近年、このような遺伝子の異常を標的として、その機能を制御する分子標的治療薬が次々と開発されている。これらの薬剤は、それぞれが標的とする遺伝子異常が存在するがんに対して効果がみられる。そのため、個々の患者のがん細胞にどのような異常が生じているかを調べる、がんクリニカルシーケンス検査により、将来より有効な薬剤で治療を受けることができるチャンスが広がる。
疾患バイオバンクを活用、全エクソン解析など遺伝子解析研究進める
今回のプロジェクトは、4月1日に同院内に設置した「個別化医療センター」が中心となり、ゲノムコホート研究の基盤を有する東北メディカル・メガバンク機構や、最新医学知識と基礎医学研究の基盤を有する医学系研究科等と密接に連携。希少性疾患を中心とした個別化医療の推進を図っていくもの。
個別化医療センターでは、クリニカルシーケンス検査により現時点でのゲノム医療の提供を行うとともに、疾患バイオバンクを活用して全エクソン解析などの遺伝子解析研究を進める。将来的には、ゲノム解析を基とした治療の最適化、発症の予防ができるような医療につなげるという。
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・東北大学病院 プレスリリース