中等~重症の活動期クローン病の導入療法の治療薬として
ヤンセンファーマ株式会社は5月29日、中等症から重症の活動期クローン病の導入療法の治療薬として「ステラーラ(R)点滴静注130mg」(一般名:ウステキヌマブ)を5月24日に発売したと発表した。同疾病の維持療法の治療薬として既承認品目である「ステラーラ(R)皮下注45mgシリンジ」は、2017年3月にクローン病の適応追加の承認を取得している。
クローン病は、炎症性腸疾患(IBD)の一種。日本では約4万人以上の患者がいるといわれ、15歳から35歳の間で診断されることが多い。症状としては、腹痛や腹部圧痛、頻回な下痢、直腸出血、体重減少、発熱など。現時点でクローン病を完治させる方法はなく、クローン病患者の4分の3が手術を必要とする状況にあるといわれている。
既存の抗TNFα製剤とは異なる作用機序
ステラーラは、炎症反応・免疫に深くかかわるインターロイキン(IL)-12・IL-23を標的としており、既存の抗TNFα製剤とは異なる作用機序を有している。導入療法では、ステラーラ点滴静注130mgを体重換算に基づく用量で1回の静脈内投与を行い、維持療法では、ステラーラ皮下注45mgシリンジ90mgを通常12週間ごとに、効果減弱時には8週間ごとに皮下注射を行う。現在進行中の長期投与試験では、クローン病の症状を速やかに改善させ、最長2年まで継続して症状をコントロールできることを示したという。
ステラーラは、2011年に「尋常性乾癬及び関節症性乾癬」の治療薬として、日本での承認を取得。「中等症から重症のクローン病」に対する適応について、2016年3月に製造販売承認申請を行っていた。海外では、米国と欧州で「中等症から重症のクローン病」の適応について承認されている。同剤は現在、尋常性乾癬・関節症性乾癬の治療薬として80か国以上で承認されている。
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・ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース