■厚労科研の概要報告
武蔵野大学薬学部の豊島聰客員教授は16日、都内で開かれたバイオシミラー(BS)協議会のフォーラムで、今月末にまとめる厚生労働科学特別研究事業「バイオシミラー使用促進のための課題解決に向けた調査研究」の概要を紹介した。製薬企業を対象に行った調査結果から、多くの企業がBS参入の最大の障壁を「製造技術基盤の有無」だと考えており、厚生労働省や経済産業省などの行政からの支援を期待していることを明らかにした上で、BSの開発・使用促進には「産官学の協力」が必要との考えを示した。また、BSを開発する際、海外に製造を委託するとコスト高になるため、国内の委託製造業者(CMO)を充実させるなど、国内のインフラ整備や人材育成を進める必要性も強調した。
調査研究は、各国のBSに関する政策や規制、国内の開発の現状などを調べると共に、製薬企業、医師・薬剤師、一般国民を対象に行ったアンケート調査を通して、BSの開発・使用促進、関係者の理解増進と啓発を進める上での課題を把握。BSを含めたバイオ医薬品全般の開発促進に資する政策提言を行うことを目的としている。