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膵がんに対する樹状細胞ワクチンの医師主導治験で製品投与開始-和歌山医科大

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2017年05月16日 PM01:45

標準療法不応の進行膵がん患者を対象に2017年3月から治験開始

和歌山県立医科大学は5月12日、樹状細胞ワクチン(TLP0-001)の医師主導治験「標準療法不応の進行膵癌患者を対象とした樹状細胞ワクチン療法」の準備手続きが終了し、1例目の治験登録患者に対して治験製品の投与を開始したと発表した。今回の治験は、同大学外科学第2講座の山上裕機教授らの研究チームによるもの。2017年3月から治験を開始したという。

日本国内における膵がんの死亡数は年間約3万1,000人で、肺がん、、結腸がんについで第4位。直近25年間のがん全体の発生率は1.3倍、死亡率は0.96倍の増加であるのに対し、膵がんは発生率、死亡率ともに1.5倍に増加している難治性のがんだ。多くの患者で診断時にすでに高度進行の切除不能であり、予後はきわめて不良。こうした中、標準療法不応の進行膵がんの治療法は、まだ確立されておらず、より効果的な治療法が待ち望まれている。

新規治療製品としてのエビデンス構築目指す

今回の試験は、標準療法不応膵がんに対する樹状細胞ワクチンの安全性と有効性を検討する二重盲検ランダム化比較第3相医師主導治験。和歌山医科大にて治験製品投与の安全性を確認し、その後、全国の多施設共同で185人の患者を対象に有効性を検証することで、2022年までに再生医療製品としての樹状細胞ワクチンを標準療法不応膵がんに対する新規治療製品として開発するためのエビデンス構築を目指すという。

治験で用いる樹状細胞は、T細胞を活性化させる働きがあり、活性化したT細胞ががん細胞への攻撃を行なうという。テラファーマ株式会社が提供するTLP0-001は、患者からアフェレーシス(成分採血)により得られた血球を用いて培養誘導された樹状細胞を加工して製造されるが、これを投与することでがん細胞を選択的に攻撃するT細胞を効率よく増殖活性化するように設計されているという。

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