降圧剤と利尿剤を配合
塩野義製薬(大阪府大阪市)は、6月28日、厚生労働省から高血圧症治療薬「イルトラ(R)配合錠LD/HD」の製造販売承認を取得したと発表した。
(画像はイメージです)
降圧効果アップ、副作用相殺
日本高血圧症学会のガイドラインでは、降圧効果の相乗効果と副作用の相殺の可能性から、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)と少量の利尿剤の組み合わせを推奨している。
すでにいくつかのARB/利尿剤配合薬が販売されているが、いずれもARBに少量の利尿剤を組み合わせることで、高い降圧効果が期待でき、同時に服用も1日1剤で済むため、患者への負担減にもつながっている。
長時間持続型降圧剤プラス長く使用されている利尿剤
イルトラ(R)錠は、仏サノフィ社の創製しアンジオテンシンII受容体拮抗薬イルベサルタンと、1960年から国内で広く使用されている利尿剤「フルイトラン(R)」との配合錠。
イルベサルタンは、血中半減期が長く。24時間降圧効果が持続する長時間作用型ARB。腎臓への保護作用も実証されており、早期腎症から顕性腎症まで幅広いステージで使用できるARBとして知られている。2008年からは、塩野義より「イルベタン(R)」として販売されている。
イルトラ(R)錠は、ARB/利尿剤配合薬の中で、初めてフルイトラン(R)(トリクロルメチアジド)を配合。LD錠はイルベタン(R) 100mg /フルイトラン(R)1mg、HD錠は200mg/2mgの配合比となっている。
これまでのフルイトランの信頼性と、臨床試験における良好な結果から、高血圧症治療現場でのシェア拡大を目指している。(長澤 直)
▼外部リンク
塩野義製薬プレスリリース
http://www.shionogi.co.jp/company/news