再発・難治性ALLに続く2件目の画期的治療薬指定
スイスのノバルティス社は4月18日、米国食品医薬品局(FDA)がCTL019を画期的治療薬に指定したことを発表した。これは、2回以上の治療が奏効しなかった再発・難治性(r/r)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の成人患者の治療を対象とする、治験中のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法に対しての指定。
CTL019の画期的治療薬への指定は今回で2件目であり、1件目は小児および若年成人患者を対象とした再発・難治性(r/r)B細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療に対するもの。CAR-T細胞療法は、個々の患者に合わせて製造される治療法であり、治療の過程で患者の血液からT細胞を採取し、がん細胞および特定の抗原を発現する他のB細胞を攻撃するよう遺伝子がコード化されたT細胞として、研究施設で再プログラムされる。
2016年には日本でも希少疾病用医薬品に指定
画期的治療薬への指定は、r/rDLBCLの成人患者に対するCTL019の有効性と安全性を評価する多施設共同第2相JULIET試験(NCT02445248)のデータに基づくもの。JULIETはCAR-Tに関する2件目の国際共同治験で、r/rB細胞性ALLを対象としたCTL019に関するノバルティスのELIANA試験(NCT02435849)に続くものだ。JULIETの試験結果は、今後行われる医学学会で発表される予定。
JULIET試験には日本の施設も参加している。日本においては、CD19陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病、CD19陽性びまん性大細胞型リンパ腫、CD19陽性濾胞性リンパ腫を予定される適応症として、2016年5月に希少疾病用医薬品の指定を受けている。
CTL019の研究はペンシルバニア大学との協働により進んでおり、米国でのr/rDLBCLの承認申請は、2017年末までに提出される見込みであるという。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース