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抗結核治療薬「ベダキリン」、多剤耐性肺結核を適応症として承認申請-ヤンセン

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2017年04月27日 AM11:30

長期にわたり社会に影響を与える多剤耐性結核

ヤンセンファーマ株式会社は4月25日、新規抗結核薬「ベダキリンフマル酸塩」について、多剤耐性肺結核を適応症として製造販売承認の申請を行ったと発表した。

結核は、世界の10大死亡原因の1つであり、世界保健機関(WHO)の2016年のレポートによると、2015年に世界で1040万人が新規に結核を発症し、180万人が結核により死亡している。2015年に新規に発症した多剤耐性結核(リファンピシン耐性を含む)の推定患者数は世界全体で58万人、日本では230人と推定されており、このうち検査機関で確認された日本の患者数は78人だったという。

多剤耐性結核は、一般的な結核に比べて治癒率が低い。また、治癒したとしても再発が多く、より長期間の治療を要するため、本人の負担だけでなく、周囲への感染、医療費などを含めて長期にわたり社会に影響を与える疾患だ。現在、多剤耐性結核は世界にまん延しつつあり、さらに広汎な薬剤に耐性を示す超多剤耐性結核も大きな問題となっている。

多剤併用療法の1剤として、世界40か国以上で承認

今回製造販売承認の申請を行ったベダキリンは、ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社が創製したジアリルキノリン系の新規抗結核薬。既存の抗結核薬とは異なる作用機序を有し、結核菌のエネルギー生成に必須であるアデノシン5′-三リン酸(ATP)合成酵素を特異的に阻害し、増殖期および休眠期の結核菌のいずれに対しても強い殺菌活性を示すという。

同剤は、2012年に米国、2014年に欧州で承認(海外販売名:「SIRTURO(R)」)され、現在では多剤耐性肺結核に対する多剤併用療法の1剤として世界40か国以上で承認されている。また、ストップ結核パートナーシップのグローバル・ドラッグ・ファシリティ(GDF)を通じて、グローバルファンド適格国における結核プログラムとして提供されている。なお、日本でも同剤は希少疾病医薬品に指定されており、今回の承認申請は、海外臨床試験に加え、国内臨床試験の結果に基づくものだという。

日本においても、多剤耐性結核の治療選択肢は依然として限られている。ヤンセンは、ベタキリンを多剤耐性肺結核に対する多剤療法の新たな治療薬として日本でも提供することで、患者のQOL向上に尽力していきたいと述べている。

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