財務省は18年度診療報酬・介護報酬同時改定に向け、調剤報酬の見直しに言及。16年度改定で調剤基本料や調剤料の見直しが行われたものの、要件や点数の若干修正にとどまるものが多いと指摘。18年度改定でも対物業務から対人業務へ評価を重点化し、さらなる抜本適正化を求めた。
また、最近は病院の敷地内薬局の開店など、院内調剤と比べた機能の違いが分かりにくい形態が増えてきているとし、安全な医薬品の供給という役割を薬局が果たせていない事例も見られていると指摘。院内処方に比べて院外処方の報酬水準は極めて手厚くなっている中、それに見合った機能を果たしているかの検証は不十分とし、敷地内薬局や門前薬局などの薬局が果たしている機能を精査した上で、院内調剤と比べた観点も含め調剤報酬のあり方を検討すべきと提言した。
一方、薬価については、薬価制度の抜本改革で打ち出された新薬創出等加算の見直しに言及。実勢価格があまり下がらなかった薬を対象とするため、イノベーションの評価とは無関係に加算がされていると問題意識を示し、新薬創出等加算の廃止を提言した。
イノベーションの評価については、費用対効果などの観点から他の医薬品より優れていると認められるものを見極め、必要な加算等を行う仕組みを検討すべきとした。
新規収載時において、原価計算方式での算定や類似薬効比較方式で一定の加算が行われる場合は費用対効果評価を義務づけ、費用対効果が悪い場合は価格を下げる仕組みとするよう提言。新薬創出等加算の廃止と合わせ、イノベーションを評価するための加算を行う仕組みを設ける場合、客観的に費用対効果が優れていることを要件とすべきとした。
後発品の使用促進については、今年6月末時点で数量シェアは65%程度との推計値を示し、足下では70%目標設定時の想定より伸びが鈍化しており、17年央の目標である数量シェア70%に至っていないと指摘。80%目標を20年度までのできるだけ早い時期に設定すると共に、さらなる促進策を講じるべきと提言。後発品の選択は患者の意向によるケースが多いとし、後発品の平均価格を超える部分の原則自己負担を求めた。