定期予防投与により、臨床的に意義のある出血回数の減少示す
スイスのF.ホフマン・ラ・ロシュ社は4月17日、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する12歳未満の血友病A患者を対象に、エミシズマブによる出血予防効果を評価する第3相臨床試験(HAVEN2試験)の中間成績を発表した。臨床的に意義のある出血回数の減少が示されたという。
HAVEN2試験は、エミシズマブの週1回の皮下注投与による有効性、安全性および薬物動態を評価する単群オープンラベル多施設共同第3相臨床試験。中間集計は、バイパス止血製剤による治療が必要な12歳未満のインヒビターを保有する血友病A患者19名を対象に、投与期間中央値が12週を超えた時点で実施された。試験の目的は、エミシズマブの定期予防投与に伴う、出血回数、安全性、薬物動態、健康に関連する生活の質(HRQoL)および介護者の負担面に関するHRQoL評価。同試験は、計60名の小児患者を登録予定であり、最終解析は52週間のエミシズマブ投与成績を基に実施される。
現在、HAVEN3試験とHAVEN4試験も進行中
HAVEN2試験で得られた知見は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する12歳以上の血友病A患者を対象としたHAVEN1試験で得られたものと同様だった。HAVEN1試験においては、エミシズマブ定期予防投与は、エミシズマブ非投与およびバイパス止血製剤の定期予防投与と比較し、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある出血回数の減少を示したという。なお、HAVEN2試験において最も多く確認された有害事象は、注射部位反応および鼻咽頭炎だった。
HAVEN1試験の成績およびHAVEN2試験の中間成績は、今後開催される医学会にて発表されるとともに、承認申請に向けて規制当局へ提出される予定。また、エミシズマブに関しては現在、インヒビターを保有しない12歳以上の患者を対象に、週1回または2週に1回のエミシズマブ投与による出血予防を評価するHAVEN3試験、インヒビター保有または非保有の12歳以上の患者を対象に、4週に1回のエミシズマブ投与による出血予防を評価するHAVEN4試験が進行中である。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース