「細かく」撮影することにフォーカスし、医療現場に質の高い臨床画像を提供
東芝メディカルシステムズ株式会社は4月14日、世界初の高精細CT装置「Aquilion Precision(TM)」(アクイリオン プレシジョン)の国内販売を開始すると発表した。
画像はリリースより
X線CT装置は、開発の過程で「広く」・「速く」・「細かく」撮影できるようになり、さまざまな臨床価値を見出してきた。「広く」という点では、2007年に16cmの幅が1回転で撮影できる320列エリアディテクターCT「Aquilion ONE(TM)」を発表し、心臓や脳など人体の主要な臓器全体を1回転で撮影できるようになった。また、「速く」という点では、最速で0.275秒/回転の高速撮影を実現。しかし、「細かく」という点では、この30年間大きく変わることはなかったという。
より微細な人体構造を鮮明に描出したいという診療のニーズに応えるべく、今回発売のAquilion Precisionは、「細かく」撮影することにフォーカス。空間分解能を大幅に向上させることで、医療の現場に質の高い臨床画像を提供できるという。
これまで検出不可能だった細かな生体情報を得ることが可能に
Aquilion Precisionは、従来に比べ面内・体軸方向にそれぞれ2倍の空間分解能が得られるCT装置。高精細画像を収集するために、CT装置の核となるすべてのコンポーネントを刷新し、これまで検出不可能だった細かな生体情報を得ることができる世界で唯一の高精細CTを実現したという。
高精細画像を可能とするために、検出器にはシンチレーター用に新たな素材を開発。精緻な加工技術と製造技術によって、体軸方向に従来の1/2となる0.25mm、面内方向には従来の2倍となる1792chの素子を配列したX線検出器を実現した。また、検出器サイズに適した極小焦点(0.4 mm×0.5 mm他)を採用しながらも、高出力に対応したX線管装置を搭載。これにより、高い空間分解能でかつノイズの少ない画像を提供するという。さらに、Aquilion Precision用として新たに開発した撮影寝台には、「2段スライド機構」と「高精度な天板制御機構」を搭載。このふたつの機構を搭載することで、ミクロの精度で寝台位置を制御することが可能となり、高精細CT画像を支える。
東芝メディカルのCTは「広く」・「早く」を実現することで、形態診断から機能診断へと臨床価値を提供してきた。さらに今回、世界で初めて「細かく」を実現することで、画像診断のさらなる可能性を提供していきたいと同社は述べている。
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・東芝メディカルシステムズ株式会社 ニュースリリース