シスチンとテアニンは炎症反応と体温上昇を抑制する
味の素は炎症反応による体温上昇を抑制するアミノ酸のシスチンとテアニンの効果と体内で炎症反応が抑制されるメカニズムを明らかにした。
激しい運動や外科手術後に炎症反応が起こる。炎症反応が過剰な場合、体温上昇や免疫機能の低下から感染症リスクが高まり体調回復も遅れる。シスチンとテアニンが手術後の早期回復や感染症リスクの低減に有効であることはこれまでに確認した。
リポ多糖LPSは細胞内の酸化ストレスを増大させ炎症性サイトカインの分泌を促進し体温を上昇させる。これをラットに投与してシスチンとテアニン摂取の影響を調べた結果、体温上昇が抑えられた。抗酸化反応を担うグルタチオンの合成は酸化ストレスやサイトカインの発現を抑えるため、シスチンとテアニンがグルタチオンの合成を介して過剰な炎症反応、高熱の発生を抑制、回復を早めると考えられる。
シスチンの炎症反応を抑えるメカニズム
次にシスチンを摂取したマウスにLPSを投与して炎症反応を引き起こし炎症性サイトカインIL-6の血中レベルを測定した。シスチンの摂取でIL-6の産生が抑制されシスチンを添加した単球細胞も同様だった。炎症反応を抑える抗炎症サイトカインIL-10の産生量は増加した。シスチンは単球細胞からの抗炎症性サイトカインIL-10の産生を増加させることでIL-6の産生を抑え、過剰な炎症反応や高熱の発生を抑制すると考えられる。
今後、長期療養型の病院や介護施設のインフルエンザや風邪の予防など、シスチンとテアニンの広範な活用が期待される。(馬野鈴草)
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