EMAによる迅速審査指定、FDAによる優先審査指定に続く指定
アッヴィ合同会社は3月17日、すべての主要なC型肝炎ウイルス(HCV)ジェノタイプ(GT)1~6型の治療薬として開発中のパンジェノタイプ、リバビリンフリー・レジメン、glecaprevir(グレカプレビル水和物)/pibrentasvir(ピブレンタスビル)(G/P)について、厚生労働省より優先審査品目指定を取得したことを発表した。
今回の優先審査品目の指定は、2016年12月に欧州医薬品庁(EMA)から受けた迅速審査指定、2017年1月に米国食品医薬品局(FDA)から受けた優先審査指定に続くもの。今回の日本における製造販売承認申請は、日本人患者を対象とした第3相臨床試験(CERTAIN試験)に加え、すべての主要なHCVジェノタイプおよび特定の治療課題を持つ、27か国、2,300人を超える患者を評価したアッヴィのG/Pグローバル臨床開発プログラムのデータに基づいているという。
承認された場合、従来の治療期間より短い8週間での治療が可能に
G/Pは、2種の異なる抗ウイルス薬を組み合わせた1日1回投与の開発中レジメン。NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤のグレカプレビル水和物(300mg)とNS5A阻害剤のピブレンタスビル(120mg)を固定用量で、1日1回3錠服用する。HCV患者の大多数を占める、肝硬変を有しないHCV患者およびDAA未治療のHCV感染患者において、8週間投与によるウイルス学的著効の可能性を評価していることに加え、GT3型の患者、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による前治療で治癒していない患者、透析をはじめとする重篤な腎機能障害(CKD)患者などにおいても、G/Pによる治療の検討を行っている。
日本は先進国の中でC型肝炎ウイルスの感染率が高い国のひとつであり、HCV患者数は約100万人で、そのうち99%はGT1またはGT2の患者だ。同社は、G/Pが承認された場合、HCV患者の大多数を占める肝硬変を有しないGT1および2型の患者に対して、従来の治療期間より短い8週間の治療が実現し、GT3~6型の患者には新たな治療選択肢を提供することができるようになるとしている。
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・アッヴィ合同会社 プレスリリース