疼痛緩和に重要な役割をもつGタンパク質共役受容体に関する契約
第一三共株式会社は3月13日、英国のHeptares Therapeutics Limited(以下、Heptares社)と、疼痛緩和に重要な役割をもつGタンパク質共役受容体(GPCR)を標的とした新薬研究および研究技術ライセンスに関する契約を締結したと発表した。
この提携において、Heptares社は同社のGPCR結晶化技術を活用し、X線結晶構造解析や合理的医薬品設計法などを用いたヒット化合物の獲得およびリード化合物の最適化までを担当する。一方で、第一三共はHeptares社と共に化合物の探索ならびに動物実験での安全性と有効性の評価を担当するという。
GPCRを標的とする新規低分子治療薬の全世界における開発・製造・販売の権利を獲得
Heptares社は、GPCRを標的とした創薬を行う医薬品開発企業。GPCRは7回膜貫通型の構造を有する受容体であり、このファミリータンパク質のうちおよそ370種が各種ホルモンやその他の生体内物質、神経伝達物質などの受容体として生理的に多様な機能を有することが知られている。同社独自の構造ベースドラッグデザイン技術を利用することで、臨床的な有用性は証明されているものの、これまで創薬が困難であったGPCRを標的とした医薬品の創出が可能となるという。このアプローチを使用して、同社はアルツハイマー病、統合失調症、がん免疫療法、片頭痛、依存症、代謝疾患等の治療法を革新する可能性を有する、画期的なパイプラインを構築している。
今回の契約に基づき、第一三共はHeptares社が探索したGPCRを標的とする新規低分子治療薬の全世界における開発・製造・販売の権利を得ることが可能となる。一方、Heptares社は契約一時金と研究支援金を受領し、また将来的に、研究開発および販売に関するマイルストンおよび販売後の純売上高に応じたロイヤリティの受領が可能になるとしている。
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・第一三共株式会社 ニュースリリース