一般用医薬品のインターネット販売
政府は一般用医薬品(OTC薬)のインターネット販売を解禁することも盛り込んだ「日本再興戦略」を決定した。第1類医薬品の中で、医療用医薬品からのスイッチ直後の品目と劇薬指定品目に関しては、専門家の検討会を設置して、販売形態についても含む適正使用のしくみを議論することとなっている。
成長戦略として「日本産業再興プラン」「戦略市場創造プラン」「国際展開戦略」の3つのアクションプランを掲げている。OTC薬のネットでの販売に関しては、戦略市場創造プランのテーマの中で、「国民の健康寿命の延伸」の1つの施策である。
具体的な内容としては、まず一般用医薬品については、インターネット販売を認めることとすることを述べている。その際には消費者の安全性を確保しながらも、適切なルールの下で行うこととする。
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ネット販売に向かないOTC薬
しかし「スイッチ直後品目」「劇薬指定品目」に関しては、他の一般用医薬品とは扱いが全く違うため、慎重な販売や使用を促すための仕組みについてだけではなく、成分や用法、用量、副作用の状況等の観点から、医学・薬学等分野の専門家による検討を行う。今年の秋頃までには結論を出して、制度的な措置を講ずることとする。検討に関しては、合理的かつ客観的な検討を行うものとする、としている。
OTC薬のネット販売を巡っては、これまでもかなり議論はされてきたが、「ネット販売を全面的に解禁すべき」と、「副作用や乱用のリスクが高い一部の品目については、ネット販売を禁止すべき」という意見が対立。具体的な販売ルールについては合意がされないまま、最終報告書が取りまとめられた。
日本薬剤師会は同日に、「誠に遺憾」とする見解を出して会員に通達した。日薬は、安全性の観点からネット販売にはOTC薬であっても、不適当な品目が存在すると指摘。「国民の生命と健康を守るため、ネット販売における適切なルールが策定されるよう注視しつつ、国に対し主張を続けていく」と述べている。(福田絵美子)
▼外部リンク
首相官邸 成長戦略
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