■拠点獲得から製品・技術へ‐LEKコンサル・藤井氏
2017年の製薬業界は、日系製薬企業による海外企業の買収が増加する1年になる可能性も出てきた。コンサルティング会社「LEKコンサルティング」日本代表の藤井礼二氏は、昨年から続くアステラス製薬や大日本住友製薬、武田薬品による買収の動きに関して、「規模追求型のM&Aではなく、重点領域の製品・技術を獲得するという明確な狙いが透けて見える」との見方を示し、製薬企業が“選択と集中による成長路線”に舵を切っている背景から、「今後も買収が活発化していくのではないか」と予測した。一方、日系製薬企業が保有する潤沢な手元資金を挙げ、買収に活用すべきとした。
日本製薬企業の海外進出がテーマになる中、藤井氏は「海外の拠点整備が済んでいる企業」と「未整備の企業」の二つに大別できるとしている。買収を仕掛けた武田やアステラス、大日本住友に共通しているのが、確立した米国拠点を既に持っている企業ということだ。