今秋、抗がん剤から開始
2013年6月12日-治療行為の例外として保険外診療を認める「規制改革実施計画」の原案が明らかになった。「最先端医療迅速評価制度(先進医療ハイウエー構想)」(仮称)として、14日に閣議決定する予定。今秋、抗がん剤から開始すると明記されている。
公的保険外の自由診療と保険診療の併用(=混合診療)をこれまで禁じてきたが、例外的に認めていく。将来的には全面解禁につなげる狙いがある。
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審査の迅速化、効率化を目指す
まずは「先進医療」であるかどうかの審査を迅速化。外部機関などによる専門評価体制の創設で新制度を後押しする。
現在の保険外診療認定では、技術の有効性及び安全性の証明を医療機関が担っている。年間審査件数約40件。期間は1件あたり6~7か月。これまでの認定実績は100技術。この機能を加速するため、外部の評価機関を活用。審査の迅速化、効率化を目指す。
抗がん剤は、次々と新薬が世に出てくる。自由診療の併用を迅速に認め、抗がん剤新薬を使いやすくする。
収入による不平等の懸念
計画では「経済再生の阻害要因を除去し、民需主導の経済成長を実現するために不可欠」としている。先進医療認定迅速化という面だけでなく、国の財政面も考慮されていると推測される。
先進医療については、現在全額自己負担だ。医療行為という健康に生きる権利に直結する部分なだけに、収入による不平等が発生しないか懸念される。
医薬品ネット販売は最終案調整中
現在注目されている一般用医薬品のインターネット販売については、首相が「全面解禁」の意向の一方、副作用の可能性が高い一部市販薬に関する調整が続いている。実施計画最終案はまだ決定されていない。(貝塚 久美子)
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