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大鵬薬品、TS-1の第3相試験3試験の結果発表

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2013年06月12日 AM07:13

代謝拮抗薬とは、代謝物と化学構造が類似した薬剤で、代謝過程に繰り込まれ、それ以上の代謝を阻止させるものである。病原微生物や悪性腫瘍などの発育阻止、死滅を機序とした化学療法剤として使用される。代謝拮抗薬には、ピリミジン拮抗薬(ウラシル類縁化合物、シチジン類縁化合物)、プリン拮抗薬(グアニン類縁化合物、アデニン類縁化合物)、葉酸拮抗薬の3種類がある。

(画像はウィキメディアより)

TS-1の3試験結果

大鵬薬品は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤であるTS-1に関して、日本国内で実施された3試験(ACTS-CC試験、SOFT試験及びACTS-HNC試験)の結果を発表した。ACTS-CC試験は、ステージ3の結腸癌治癒切除患者を対象にTS-1療法と標準療法であるUFT/LV療法を比較した第3相試験で、TS-1療法の無病生存期間 (DFS)における非劣性が確認された。Grade 3以上の有害事象の主な内訳は、TS-1群、UFT/LV群それぞれで、下痢4.4%:5.5%、食欲不振4.9%:3.5%、総ビリルビン値上昇1.2%:1.5%、AST値上昇0.8%:2.1%、ALT値上昇1.1%:3.3%であった。

SOFT試験は、切除不能・再発大腸癌を対象にTS-1/Oxaliplatin(SOX)+Bevacizumab(Bev)療法と標準療法である5-FU/l-LV/Oxaliplatin (FOLFOX) + Bev療法を比較した第3相試験で、SOX+Bev療法の無増悪生存期間 (PFS)における非劣性が立証された。また、Grade 3以上の有害事象の主な内訳は、SOX+Bev群、FOLFOX+Bev群それぞれで白血球減少2.4%:8.4%、好中球減少8.8%:33.7%、食欲不振5.2%:1.2%、下痢 9.2%:2.8%であった。

ACTS-HNC試験は、頭頸部扁平上皮癌根治治療後の症例を対象にTS-1療法とUFT療法を比較した第3相試験である。主要評価項目であるDFSについて、TS-1群のUFT群に対する優越性は証明されなかったが、3年生存割合についてはUFT群75.8%、TS-1群82.9%であり、TS-1群が統計学的に有意に高かった。Grade 3以上の有害事象は、TS-1群において、口内炎(2.4%)、白血球減少(5.2%)、 好中球減少(3.6%)、及び血小板減少(2.0%)(括弧内はTS-1のGrade3,4の有害事象発現率を示す)と有意にこれらの有害事象の発現率が高かった。(堤朝子)

▼外部リンク

大鵬薬品 ニュースリリース2013年6月6日
http://www.taiho.co.jp/corporation/

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