世界30か国以上で承認、適応症は便秘型過敏性腸症候群と慢性特発性便秘
アステラス製薬株式会社は12月19日、米国のIronwood Pharmaceuticals, Inc.より導入し、日本において開発しているグアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト「リンゼス(R)錠0.25mg」(一般名:リナクロチド)に関し、便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)の効能・効果で、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
リンゼス錠は、腸粘膜上皮細胞に発現しているグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体に局所的に結合して活性化することにより、腸管分泌および腸管輸送能を促進し、内臓痛覚過敏を改善する。同剤は、成人のIBS-Cと慢性特発性便秘(CIC)の適応症で、世界30か国以上で承認されている。日本では成人の2.9%がIBS-Cであるといわれているが、これまでIBS-Cの効能・効果で承認されている薬剤はなかった。
IBS-Cに苦しむ患者へ新たな治療選択肢を提供
今回の承認取得は、主にIBS-Cの成人患者を対象として日本で実施した第3相のプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験の結果に基づくもの。同試験では、日本のIBS-Cの成人患者500例を、リンゼス錠投与群(0.5mg)またはプラセボ投与群に1:1の比で無作為に割り付け、同剤を12週間経口投与した際の有効性と安全性を検討した。
試験の結果、2つの主要評価項目である投与12週間における過敏性腸症候群(IBS)症状の全般改善効果および残便感のない自発的な排便(CSBM)のレスポンダー率において、リンゼス錠投与群はプラセボ投与群と比較して統計学的に有意な改善を示したという。IBS症状の全般改善効果のレスポンダー率は、リンゼス錠投与群で34%、プラセボ投与群で18%(p<0.001)、CSBMのレスポンダー率はリンゼス錠投与群で35%、プラセボ投与群で19%(p<0.001)だった。さらに、腹部膨満感、腹痛・腹部不快感を含む、腹部および便秘症状をみた副次評価項目においても改善が認められたという。なお、主な有害事象は下痢で、リンゼス錠投与群で9.6%、プラセボ投与群で0.4%に発現したが、程度は全て軽度から中等度だったとしている。
今回の承認取得に伴い、アステラス製薬はIronwood社に15百万米ドルのマイルストン支払いを実施。同社は今回の承認取得により、新たな治療選択肢を提供することで、IBS-C治療に一層の貢献ができるものと期待を寄せている。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース