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PD-L1抗体「durvalumab」、膀胱がん領域で初のBLAをFDAが受理-英AZ

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2016年12月15日 PM12:00

優先審査品目に指定、目標審査期間は2017年第2四半期まで

英アストラゼネカ社とそのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューン社は12月9日、米国食品医薬品局()がPD-L1ヒトモノクローナル抗体(mAb)「」の初の生物学的製剤承認申請(BLA)を受理し、優先審査品目に指定したとともに、処方箋薬ユーザー・フィー法に基づく目標審査期間を2017年第2四半期までと設定したことを発表した。

今回の申請は、プラチナ製剤をベースとする標準1次化学療法の治療中または治療後に病勢が進行した局所進行または転移性尿路上皮がん(UC)患者を対象としたStudy1108試験の尿路上皮がんコホートの結果に基づき行われた。同試験はdurvalumabの安全性および有効性を検討する多施設共同、非盲検の用量漸増・拡大第1/2相試験。

UCは膀胱の内腔側にある尿路上皮細胞から発生し、膀胱がんのなかでは最もよく見られる種類のがん。全世界の膀胱がん症例の90%超を占めており、手術不能または進行転移がんを有するUC患者に対する現在の標準治療は30年前に導入された全身性プラチナ製剤ベースの化学療法で、大きなアンメットメディカルニーズが存在する。

幅広いがん種でdurvalumab単剤・併用療法の可能性を検討

durvalumabは、同社が現在開発中のプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)ヒトモノクローナル抗体。腫瘍はPD-L1を発現し、殺細胞性Tリンパ球のPD-1に結合することで、自らが免疫システムにより探知されるのを回避する。durvalumabはT細胞のPD-1およびCD80とのPD-L1の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構が働かないよう作用し、がんを攻撃するよう患者の免疫システムを活性化するという。同剤は、FDAより2016年にPD-L1陽性の切除不能または転移UCの治療薬として画期的治療薬指定を受け、2015年にはPD-L1陽性の転移頭頸部扁平上皮がんの治療薬として迅速審査指定を受けている。

また、同剤の広範な開発プログラムの一環として、現在、転移性UC患者に対するファーストライン治療の可能性を検討する第3相試験のDANUBE試験を実施中。同試験では、シスプラチンベースの化学療法の適格性に関わらず、durvalumab単剤療法およびtremelimumab(CTLA-4 mAb)との併用療法を検討しているという。

なお、durvalumabとtremelimumabの併用は、第3相試験を実施中の非小細胞肺がん、頭頸部扁平上皮がん、第2相以前の試験を実施中の胃がん、膵臓がん、肝細胞がん、血液がんでも検討されている。同社は現在30件を超える他のがん免疫療法薬および分子標的治療薬とdurvalumabとの併用に関する臨床試験を実施中としている。

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