心血管疾患を有する成人2型糖尿病患者に対して
ドイツのベーリンガーインゲルハイムと米国のイーライリリー・アンド・カンパニーは12月5日、心血管疾患を有する成人2型糖尿病患者に対する心血管死のリスク減少を適応として「ジャディアンス(R)」(一般名:エンパグリフロジン)がFDAより追加承認を受けたと発表した。
ジャディアンスは、成人2型糖尿病患者に対する食事と運動による血糖値管理の補助療法として、2014年にFDAから承認された。今回の追加承認は、心血管疾患を有する成人2型糖尿病患者において、2型糖尿病および心疾患に対する標準治療にジャディアンスを上乗せした時の効果を、プラセボと比較したEMPA-REG OUTCOME(R)試験のエビデンスに基づくもの。このような適応症で承認された初めての2型糖尿病治療薬となる。
日本での心血管イベントの発現リスク減少に関連する承認所得は未定
糖尿病の患者数は米国で約2900万人、全世界で4億1500万人に達し、うち米国人の約28%に相当する800万人が未診断であると推定されている。米国では、20歳以上の国民の約12%が糖尿病に罹患。2型糖尿病は最も一般的な糖尿病であり、米国では糖尿病症例の最大95%を占めると推定される。
糖尿病患者では、糖尿病に罹患していない人と比べて心血管疾患を2~4倍発症しやすいとされており、全世界の2型糖尿病患者の死亡のうち約50%、および米国の2型糖尿病患者の死亡のうち約68%は心血管疾患が原因。米国では糖尿病患者の心血管疾患に対する医療費の合計が2012年に230億ドルを超えている。
なお、日本におけるジャディアンス錠の効能・効果は2型糖尿病であり、心血管イベントの発現リスク減少に関連する効能・効果の適応は取得しておらず、今後の承認取得については未定としている。
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・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース