2016年3月のrrCLLに対する承認に続く追加承認取得
ヤンセンファーマ株式会社は12月2日、抗悪性腫瘍剤であるブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤「イムブルビカ(R)カプセル140mg」(一般名:イブルチニブ)について、「再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」を効能・効果に追加することについて承認を取得したと発表した。
同剤は、1日1回経口投与の新しい作用機序を有するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤。BTKは、B細胞の成熟と生存を制御する細胞内シグナル伝達に関与する重要なタンパク質で、このBTKを標的にすることで腫瘍細胞の生存シグナルを阻害し、増殖を抑制するという。
現在同剤は、再発または難治性のマントル細胞リンパ腫(rrMCL)の治療薬として、米国と欧州を含む世界40か国以上で承認されており、国内では小リンパ球性リンパ腫(SLL)を含む再発または難治性の慢性リンパ性白血病(rrCLL)の成人患者用治療薬として、2016年3月28日に日本で承認を取得している。
日本におけるMCL患者数は約1,600人
マントル細胞リンパ腫(MCL)は、白血球の一種(リンパ球)であるB細胞に起因する進行性の血液がん。日本における現在のMCL患者数は約1,600人と推定され、発症年齢中央値は60歳代半ば~70歳で男性に多いとされる。生存期間の中央値は3~4年と治癒が難しく、既存の薬物治療後に病勢進行が認められた患者に対する有効な治療法は限られている。
同剤は、ヤンセンファーマシューティカルカンパニーズの1社であるCilag GmbH Internationalと、アッヴィ社のひとつであるファーマサイクリックス社によって共同開発された。日本ではヤンセンファーマが販売するが、米国ではファーマサイクリックス社とヤンセン・バイオテック社が共同で販売しており、それ以外の国々ではヤンセンの各運営会社が販売している。
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・ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース