カラーセラピーなどに代表されるように、色が心の動きに影響を及ぼすことは広く知られています。カナダの研究チームが、色とタスクを処理することに何か関係があるかを調査したところ、青や緑は、赤い色に比べて能率が上がることが分かりました。
この説を元に、「赤い色は、食べ物や飲み物を食べるというタスクの能率を下げるのではないか、それならば赤い色が目に入るような状態で食べたり飲んだりすれば、量が減るのでは?」という疑問が生まれ、これに答えるための調査が行われました。
色と食欲の関連を調べたこのリサーチでは、赤いラベルのついたコップとブルーのラベルのついたコップを準備しました。それぞれのコップで、ホワイトティフレーバー、レモンフレーバー、グリーンティフレーバーの飲み物を飲んでもらうと、いずれの味でも赤いラベルのコップから飲むよりもブルーから飲む方が多くなっていたのです。
同様に、赤いお皿と青いお皿で食事をしてもらうと、赤いお皿の方が食べる量が少なくなっていました。
この調査から、赤い色を食器などに取り入れて、飲食中に目にするようにすることで、食べすぎ、飲み過ぎを防ぐ効果が期待できることが分かりました。
逆に、季節の変わり目や夏ばてで食欲が落ちる時期には、赤い食器を避けるような取り入れ方もできますね。
お料理に合わせて食器を替える人は多いと思いますが、今度は家族の体調に合わせて食器を替えてみてはいかがでしょうか。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Blue or Red? Exploring the Effect of Color on Cognitive Task Performances
http://www.sciencemag.org/content/323/
The color red reduces snack food and soft drink intake
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/