増加する風疹患者と先天性風疹症候群発症
国立感染症研究所は、母親が妊娠中に風疹にかかったことを原因とする先天性風疹症候群の発症が、昨年10月からの約半年で10件に上っているとの調査をまとめた。この数字は風疹が大流行した2004年1年間の先天性風疹症候群発症数と同じになっている。
(Wikiメディアから引用)
今年に入ってからの風疹患者数は5月1日までですでに5,442人にも上っている。昨年は1年間で2,392人、すでに2.3倍だ。風疹患者の70%近くを占めているのは、ワクチン接種を受けていない20~40代の男性だ。
先天性風疹症候群の発症は2012年の10月に兵庫県で誕生した女児をはじめとして、その後はほぼ1ヶ月に1人のペースで報告されている。
急がれるワクチン接種補助
胎児に影響が出るのを防ぐため、同研究所では妊娠を希望している女性や妊婦の夫などにワクチン接種を呼びかけている。しかしワクチン接種には1万円前後の費用がかかり、これに対して補助がある地域は少ない。
市町村が行うワクチン接種に対して補助を行っている都府県は、東京都・千葉県・神奈川県・大阪府。これら4道府県の以外の市町村が独自にワクチン接種に対して補助を行うことには、財政の壁が立ちはだかっている。
反対に注目されるのが企業の動きだ。自社の従業員に対しワクチン接種の費用を補助する制度を設ける企業が出てきている。インターネット大手のヤフーは3月末から風疹のワクチン接種に対して補助金を支給する制度を設けている。限度額は7,000円、全社員を対象としている。(小林 周)
▼外部リンク
国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/