■政府会議が初会合
国際的な脅威となっている薬剤耐性菌(AMR)に対する国民の理解を深め、抗菌薬の適切使用に向けた主体的な取り組みを官民で促す「AMR対策推進国民啓発会議」(議長:毛利衛日本科学未来館長)の初会合が1日に開かれた。国民一人ひとりが抗菌薬の適切な使用に努めるよう普及啓発を進めると共に、医師や薬剤師などの医療従事者にも必要な場合にのみ抗菌薬を処方し、適切な服薬指導を行うことなど、国を挙げて取り組むべき内容を共有した。また、AMR対策の普及に賛同する日本薬剤師会、日本製薬工業協会など関係団体の取り組みも示され、今後どのような取り組みを行うべきか議論。「薬剤対策広報大使(仮称)」の設置などを決めた。
初会合の冒頭、塩崎恭久厚生労働相があいさつに立ち、「2050年には、AMRによって亡くなる人の数が現在の癌による死亡者数を上回るといわれている」と問題意識を示し、「抗菌薬については、どの疾患にどの程度使われているかを示したデータが不足しているだけでなく、医師は抗菌薬の使用を減らすという意識を持たずに処方する傾向にある」と指摘。「AMRは重要な問題であり、克服しなければ人類の危機につながるという認識を共有したい」と述べた。