日本糖尿病学会で発表
日本イーライリリー株式会社(兵庫県神戸市)は、5月16〜18日に熊本市で開催された第56回に本糖尿病学会で、同社が開発中の新規糖尿病治療薬候補2剤の治験結果が良好であると発表した。
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血糖降下作用、1週間持続
治験では、長時間作用型GLP-1受容体作動薬DULAGLUTIDEを週一回皮下投与した138例で、用量—反応関係を評価。用量依存的な血糖降下作用と有害事象が発現しないことを確認し、日本人2型糖尿病患者への臨床推奨用量を0.75 mgの週一回皮下投与とした。
経口投与薬も効果を確認
一方、新規選択的グルカゴン受容体アンタゴニストLY2409021は、28日間の経口投与での血糖降下作用を確認、31例の薬物動態や安全性等について報告した。Tmaxは4〜7時間、半減期は61.1〜65.7時間、暴露量に用量比例性が認められている。29日目の空腹時血糖値変化量は、プラセボに対しやや低値であったが、忍容性は良好、軽度の低血糖が30 mg投与群で1例あった。
激化する新規糖尿病治療薬開発に期待
2型糖尿病治療薬は、ごく最近アストラゼネカからGLP-1受容体作動薬「ビデュリオン(R)皮下注」が発売されたように、世界中で競争が激化している。糖尿病治療薬において長年期待されている長時間持続性と経口投与型製剤であるが、今回の報告からも糖尿病治療の負担が軽減する日は遠くないことが伺える。(長澤 直)
▼外部リンク
日本イーライリリー株式会社プレスリリース
https://www.lilly.co.jp/pressrelease/2013/news_2013_019.aspx