医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤vedolizumab、実臨床下のデータを発表-武田薬品

潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤vedolizumab、実臨床下のデータを発表-武田薬品

読了時間:約 1分17秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年10月19日 PM02:00

欧州消化器病学会週間のポスタープレゼンテーションにて

武田薬品工業株式会社は10月17日、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎・クローン病に対する実臨床下でのvedolizumabの有効性および安全性に関するデータを発表した。この内容は、オーストリアのウィーンで10月16~19日に開催されている欧州消化器病学会週間において、「成人の潰瘍性大腸炎・クローン病患者に対するvedolizumabの実臨床下での有効性および安全性の系統的論文レビュー」という演題名にてポスタープレゼンテーションされた。

今回のポスタープレゼンテーションは、2016年4月までに掲載された51の独立した観察研究に関する論文のレビュー結果で、vedolizumabによる治療を受けた5,775人の患者を対象としており、そのうち大多数が前治療の抗TNFα抗体に対して抵抗性の患者だった。

顕著な寛解率、疾患活動性スコアの減少、粘膜治癒示す

さまざまな定義により評価された14週時点における臨床的寛解率は、潰瘍性大腸炎患者で24~55%(6試験)、クローン病患者で14~38%(7試験)。安全性に関しては、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎・クローン病患者を対象とした従来のvedolizumabの臨床試験結果と同様だった。vedolizumabの治療による顕著な寛解率、疾患活動性スコアの減少、粘膜治癒が示されたとしている。

また、同学会では、実臨床下におけるinfliximabとの比較データも発表された。マッチング、多施設共同、後ろ向きの観察研究において、初めて生物学的製剤による治療を受けた中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎・クローン病患者では、vedolizumab群はinfliximab群と比較して入院の頻度が低いことが示されるとともに(炎症性腸疾患関連の入院数の平均値:vedolizumab投与群0.11に対しinfliximab投与群0.29、P=0.048)、治療中止の割合が低い可能性も示唆された(ハザード値:0.86、95%信頼区間0.63-1.16)。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK