ビデオゲームが、頭の回転を良くできるというガジェット世代に嬉しい報告が届きました。論文はPLoS ONEに掲載されています。
これは、任天堂のブレインエイジというゲームと、すでに30年以上の歴史を持つテトリスが、プレーヤーの脳の働きを促すかどうかに着目された調査です。
(画像 ; Brain Age サイトより)
調査は、大学生を対象にしたものと、60代を中心とする年配層を対象にしたもので、いずれも30人程度が参加しています。
(画像 ; Tetris サイトより)
対象者をテトリスグループと、ブレインエイジグループに分けて、1日15分、週に5回、4週間のあいだプレーをしてもらいました。
そして、調査開始の前後で、脳の機能に何か変化があったかを分析しました。情報を処理して答えを導き出す流動性知能、複雑な課題を行うときに思考や行動を制御する実行機能、作業領域、短期記憶、注意力、処理スピード、視覚能力、読解能力といった脳の働きについて、評価を行いました。
若い世代では、どちらのタイプのゲームでも、実行機能、作業領域、処理スピードを改善することが分かりました。テトリスの方が集中力と、視空間能力に働きかけることが分かりました。
一方で、脳のトレーニングゲームであるブレインエイジでは、認知能力(実行能力、作業領域、処理スピード)が改善されることが分かりました。
年配層では、このようなゲームに取り組むことで、実行能力と、処理能力の改善が見られました。
こうした調査から、研究者たちは、ゲームを使って楽しみながら脳の活性化が行える可能性に期待し、今後もっと大規模な調査を行い、臨床や教育の場面に活かしたいとしています。ただの遊びには終わらないビデオゲーム、次の休憩時間からやってみても良いですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Brain Training Game Boosts Executive Functions, Working Memory and Processing Speed in the Young Adults
http://www.plosone.org/article/
Brain Training Game Improves Executive Functions and Processing Speed in the Elderly
http://www.plosone.org/article/
Tetris
http://www.tetris.com/
Brain Age
http://brainage.nintendo.com/