インフルエンザ
インフルエンザウイルスの感染により、数年に一度大流行が発生する。気管支炎や肺炎だけでなく、心不全や脳症などを併発し、死亡率が高い。高齢または若年であればあるほど死亡率が高くなる。インフルエンザウイルスはヒトの体内において約8時間で100倍に増えるので、1個のウイルスは24時間後には100万個になる。潜伏期が極めて短く、これが爆発的に感染が広がる原因のひとつとなっている。通常、感染して5から6日後には体内からインフルエンザウイルスはほとんどいなくなる。
ヒトに感染するインフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3つがあり、A型とB型は重症化しやすく、とくにA型ではウイルスの表面にあるスパイクが姿を大きく変える、ワクチンが効かない抗原変異による新型あるいは亜型となることがある。これが流行したことで最も有名なのは1910年代後半のスペインかぜで、青壮年から高齢者まで世界中で4000万人が、日本でも38万人以上が死亡した。しかし、2009年春から出現した豚由来の新型インフルエンザでは、医療技術の向上もありこのような大きな被害は出なかった。
(画像はウィキメディアより)
インフルエンザワクチン承認
バクスターは、2013年4月26日、細胞培養インフルエンザワクチン(プロトタイプ)の医薬品製造販売承認を取得した。バクスターでは、日本国内において実施した第2/3相試験および世界11ヵ国において実施した臨床試験の結果に基づいて、細胞培養インフルエンザワクチン(プロトタイプ)および細胞培養H5N1インフルエンザワクチンの申請をしていた。
プロトタイプワクチンとは、パンデミックの発生前に、あらかじめモデルウイルスを用いてワクチンを開発し、標的となる亜型ウイルスに対するパンデミックワクチンを短期間で製造し、ヒトにおける免疫原性と安全性を事前に確認しておく。そして、実際にパンデミックが発生した場合、同じ製造方法と品質管理方法を用いてパンデミックワクチンを迅速に生産し、供給することを目的としている。(堤朝子)
▼外部リンク
バクスター ニュースリリース2013年5月7日
http://www.baxter.co.jp/news_room