帯状疱疹とその合併症の予防を目的としたアジュバント添加サブユニットワクチン
英グラクソ・スミスクラインは9月14日、開発中の帯状疱疹ワクチンであるShingrix(TM)による第3相プラセボ対照比較試験(ZOE-70試験)の結果を公表し、70歳以上の成人において接種から4年目時点でも90%の有効性が維持されたと発表した。同結果は「New England Journal of Medicine」に掲載されている。
Shingrixは、帯状疱疹とその合併症の予防を目的としたアジュバント添加サブユニットワクチン。帯状疱疹を引き起こす水痘・帯状疱疹ウイルス上に存在するタンパク質である糖タンパクEと、抗原に対する免疫反応を促進するアジュバントAS01Bを組み合わせたワクチンだという。
ZOE-70試験は、70歳以上の成人約14,800人が参加した、無作為化、観察者盲検、プラセボ(生理食塩水)対照、多施設、多国間共同(北米、欧州、ラテンアメリカ、アジア太平洋地域)第3相臨床試験で、Shingrixは筋肉内注射により2か月間隔で2回接種した。主要評価項目は、帯状疱疹発症リスク低減におけるプラセボと比較したShingrixの全般的な有効性。なお、ZOE-70とZOE-50(50歳以上の成人が対象)の併合解析では、70歳以上の成人において、帯状疱疹に加え、最もよくみられる合併症である帯状疱疹後神経痛の発症リスク軽減も主要評価項目の指標としているという。
年内に各国での承認申請を準備中
同試験の結果、プラセボと比較して90%の有効性(95%信頼区間:84~94%)が示され、70~79歳では90%(95%信頼区間:83~94%)、80歳以上では89%(95%信頼区間:74~96%)と、さまざまな年齢層で有効性が維持されたという。
この結果は、昨年発表された50歳以上の成人で97%の有効性を示したZOE-50試験の結果と一致するもの。さらに、両試験から得たデータの併合解析では、70歳以上の成人においてワクチン候補接種によりプラセボと比較して91%の有効性が示され、接種から4年目時点においても帯状疱疹の発症リスクが88%減少と、有効性の持続が確認されたという。さらに、両試験の統合解析では、Shingrixの帯状疱疹後神経痛予防効果に関して、70歳以上の成人では89%の有効性、50歳以上の成人では91%の有効性を示したという。
この結果および以前に報告されたZOE-50試験のデータに基づき、GSKは50歳以上の成人における帯状疱疹の予防を適応として、Shingrixの承認申請を年内より各国で開始する予定としている。
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・グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース