統合失調症、双極性障害における躁症状の改善、うつ病・うつ状態に次ぎ4つ目
大塚製薬株式会社は9月28日、同社創製の抗精神病薬「エビリファイ」(一般名:アリピプラゾール)に関して、「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の効能追加、および「エビリファイ錠1mg」の剤形追加の製造販売承認を取得した。
同剤は、大塚製薬が1988年に発見、開発し、2002年に統合失調症治療薬として米国で承認を取得後、現在までに日本を含めた60以上の国と地域で使用されている。今回、「統合失調症」「双極性障害における躁症状の改善」「うつ病・うつ状態」に次ぐ4つ目の適応症となる「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の追加承認を取得した。
国内の自閉スペクトラム症の患者数は約10万人とされており、かんしゃく、攻撃性、自傷行為、またはこれらの複合行為の行動障害(易刺激性)を呈することがある。しかしそれらの易刺激性に対して安全に使用できる薬は少なく、また特に小児期では、薬の服用に伴う体重増加や眠気など学業への影響も配慮する必要があった。
「エビリファイ錠1mg」の剤形の製造販売承認も同時取得
同剤は、米国で2009年に小児患者に対する「自閉性障害に伴う易刺激性」の効能・効果の承認を受けた。日本では、2011年に日本小児心身医学会、日本小児精神神経学会、日本小児神経学会の3学会より医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議に開発要望が出され、2012年に同社は厚生労働省より開発要請の通知を受けた。こうした背景から、易刺激性を伴う自閉性障害の患者(6~17歳)を対象に臨床試験を実施し、2015年に承認申請を行い、今回の承認に至ったとしている。
なお、同適応の開始用量は1mgとなるため、「エビリファイ錠1mg」の剤形の製造販売承認も同時に取得した。
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・大塚製薬株式会社 ニュースリリース