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atezolizumab、転移性NSCLC患者においてOSを有意に延長-ロシュ

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2016年09月07日 PM04:15

化学療法と比較し、全生存期間を統計学的に有意に延長

スイスのロシュ社は9月1日、「TECENTRIQ」(一般名:)の第3相国際共同試験であるOAK試験の結果が良好であったと発表した。同試験の全ての成績は、2016年中に開催される学会で発表する予定としている。

atezolizumabは、TCまたはICに発現するPD-L1(programmed death ligand-1)を標的とし結合するように設計されたモノクローナル抗体。PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1、B7.1の双方と相互作用することにより、T細胞の働きを阻害する。atezolizumabがこの相互作用を阻害することでT細胞が活性化され、がん細胞を効率的に検出し、攻撃する能力を取り戻すことが可能になるという。

OAK試験は、白金製剤ベースの化学療法施行中または施行後に病勢が進行した局所進行または転移性非小細胞肺がん()患者において、atezolizumabの有効性と安全性についてdocetaxelによる化学療法と比較した、オープンラベルランダム化多施設共同国際第3相臨床試験。同試験では、2つの主要評価項目を達成し、NSCLC患者において、docetaxelによる化学療法と比較して統計学的に有意な、かつ臨床的に意味のある全生存期間(OS)の改善が認められたという。また、atezolizumabの有害事象はこれまでに観察されたものと一致していたとしている。

早期・進行期の肺がんを対象とする8種類の第3相臨床試験を実施

atezolizumabは、FDAが承認した初めてかつ唯一のPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤であり、白金製剤ベースの化学療法施行中または施行後に病勢進行を認めた、または白金製剤ベースの化学療法による術前または術後補助化学療法を行い12か月以内に病勢進行を認めた局所進行または転移性尿路上皮がん(mUC)患者の治療を適応症としている。この適応症は、奏効率および奏効期間に基づき迅速承認されたもの。この適応症の承認の継続には、検証試験での臨床的有用性の証明が必要となる。

FDAは同剤に対し、標準化学療法(白金製剤ベースの化学療法、EGFR遺伝子変異陽性またはALK陽性肺がんに対しては適切な分子標的療法)施行中または施行後に病勢が進行したPD-L1陽性NSCLC患者への投与について、画期的治療薬に指定。さらに、ロシュ社が提出したNSCLCに対する生物製剤承認申請(BLA)は優先審査に指定されており、FDAは2016年10月19日までに承認の判断を行う予定である。

なお、同社は現在、早期および進行期の肺がん患者を対象としてatezolizumab単独または他の治療方法との併用について検討する、8種類の第3相臨床試験を実施している。(横山香織)

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