PET装置必要で、収益を重視する専門性の高い施設を主要ターゲットに
GEヘルスケア・ジャパン株式会社は8月25日、半導体検出器を搭載したPET/CT装置「Discovery MI」とSPECT/CT装置「Discovery NM/CT 670 CZT」を販売開始した。同時に、PET読影の生産性・読影品質向上を目指したビューワ「Centricity Universal Viewer 100 edition PET」を、国内の総合大型病院や地域中核病院などのPET装置を必要とし、かつ収益を重視する専門性の高い施設を主要ターゲットとして併せて販売開始した。
画像はリリースより
Discovery MIは、新しく半導体検出器“LightBurst Digital Detector”を搭載することでTOF(Time of flight)時間分解能を飛躍的に向上させ、病変を診る解像度を従来の2倍にまで向上させた。また、コンプトン散乱リカバリーという新技術の開発により感度、NECRを約20%向上させ、従来の検査時間の2分の1の時間で、またPET/CTによる被ばく量を2分の1に抑えての検査が可能になる。さらに“画質”と“定量精度”双方の両立と向上を実現した“Q.Clear“も搭載したことで、がん治療における診断能向上が期待されるだけでなく、治療効果判定に使用するSUVの信頼性・安定性が改善され、より客観的な治療効果の検証や治療戦略の切り替えが可能になるとしている。
Discovery NM/CT 670 CZTは、世界で初めてCZT(テルル化亜鉛カドミウム)検出器を搭載した全身用SPECT/CT装置。CZT半導体検出器は、ガンマ線を直接電気信号に変換することで非常に効率・精度の良い信号処理を可能にする。その結果、高分解能、散乱線成分低減による低ノイズ画像が得られる。さらに、高いエネルギー分解能により、エネルギーピークの弁別が容易となり2核種同時収集検査の精度が向上した。臨床診断におけるメリットとしては、被ばく量や検査時間を従来の2分の1にすることで患者の負担を大幅に軽減可能。病変検出能や定量性の向上により治療戦略や病期診断における確信度が上がり、真の診断のための核医学検査のさらなる可能性をもたらすとしている。
画像レイアウト学習機能で、従来に比べ19%読影の効率を向上
Centricity Universal Viewer 100 edition PETは、PET読影に必要なCTやMRIなどの過去画像を自動で取得するデータフローを実現し、PET読影に必要なSUVなどの解析機能も備えている。また、レポート連携機能により、キー画像もレポートに直接貼り付けられるなど、PET読影に必要な情報、機能がひとつのビューワに統合されたソリューションにより、読影生産性、品質の向上が期待できる。
さらに、同社独自の画像レイアウト学習機能「SRP(Smart Reading Protocol)」にて、放射線医師は最適な画像レイアウトで読影を開始することが可能となり、従来に比べて19%も読影の効率を向上させることが明らかになった。同社は、これらの新装置により、PET読影におけるワークフローの向上および読影の品質向上に貢献していきたいとしている。
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