単剤療法と治験担当医師選択の化学療法薬を比較
米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社は8月5日、未治療の進行期非小細胞肺がん患者を対象とした「オプジーボ(R)」(一般名:ニボルマブ)の第3相CheckMate-026試験のトップライン結果を発表した。
オプジーボは、活性T細胞に発現するチェックポイント受容体PD-1に結合するPD-1免疫チェックポイント阻害薬。PD-L1 とPD-L2の結合をブロックし、抗腫瘍免疫応答の阻害を含む免疫系における PD-1 経路の抑制シグナルを防止する。同剤は、2014年7月に世界で初めて承認を取得したPD-1免疫チェックポイント阻害剤で、現在、米国、日本、EU を含め54か国で承認されている。
CheckMate-026試験は、進行期非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象にオプジーボの単剤療法と治験担当医師が選択した化学療法薬とを比較した第3相無作為化非盲検臨床試験。進行期の病状に対する全身治療を受けておらず、PD-L1発現の検査で陽性であった患者が登録された。
PD-L1発現レベル5%以上の患者の無増悪生存期間を評価
同試験では、オプジーボ3mg/kgを2週間ごとに静脈内投与か、治験担当医師が選択した化学療法薬(扁平上皮がん患者ではシスプラチンとゲムシタビン、またはカルボプラチンとゲムシタビン、またはカルボプラチンとパクリタキセルのいずれか、非扁平上皮がん患者ではシスプラチンとペメトレキセド、またはカルボプラチンとペメトレキセドのいずれか)のいずれかに541人の患者が無作為に割り付けられ、病勢進行や忍容できない毒性が認められるまで、あるいは6サイクルが完了するまで投与された。主要評価項目は、PD-L1発現レベルが5%以上の患者における無増悪生存期間で、独立放射線評価委員会により評価された。
その結果によると、主要評価項目である無増悪生存期間を達成しなかった。今後、同試験のデータの全評価を完了させ、結果の公表について治験担当医師と検討するとしている。同社は、CheckMate-026試験で主要評価項目を達成しなかったことは残念だが、現在実施中のCheckMate-227試験を含めた総合的な開発プログラムを通じて、今後も患者の予後の改善に貢献していきたいと述べている。
CheckMate-227試験は、PD-L1発現陽性患者においてオプジーボとヤーボイとの併用療法を、ならびに PD-L1発現陰性患者においてオプジーボとヤーボイとの併用療法およびオプジーボと化学療法との併用の可能性を探索する試験。