高い止血作用、近傍の熱損傷少なく
日機装株式会社は7月29日、マイクロ波を活用した外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」を製品化し、市場投入を開始することを発表した。開発にあたっては、滋賀医科大学バイオメディカル・イノベーションセンターの谷徹特任教授が開発した、日本発となる高効率のマイクロ波技術を応用したとしている。
画像はリリースより
アクロサージの特徴としては、
・マイクロ波の波長域は、電子レンジと同じ2.45ghz(ギガヘルツ)
・マイクロ波の照射対象に含まれる水分子に直接、均一に作用。凝固にムラが少なく、高い止血作用
・アンテナとアースの間の限局された部分にのみ照射可能であり、近傍の熱損傷が非常に少ない
・マイクロ波の作用中、煙やミストがほとんど出ないため、術野が見やすい
・形状がハサミ型(刃)であり、生体組織の剥離、凝固、止血、脈管シーリングといった幅広い手術範囲に対応
が挙げられており、手術時間の短縮と患者の負担軽減が期待される。
ハサミ型、鑷子型のデバイスは世界初
同社は、マイクロ波外科手術用エネルギーデバイスの市場投入の第一弾として、マイクロ波ジェネレーターと、ハサミ型、鑷子型(ピンセット型)、プローブ型のディスポーザブル・デバイスを製品化。マイクロ波を使って生体組織を焼灼する針型のデバイスは以前からあったが、ハサミ型、鑷子型のデバイスは世界初となる。
今年8月から、国内の6医療機関で約30症例の臨床試用を開始する。来年1月の発売を予定しており、売上50億円を目指す。今後も鏡視下用のディスポ―ザブル・デバイスを順次投入しラインアップの拡充を図るなど開発を続けていきたいと、同社は述べている。
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