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がん患者に対するアピアランスケア、医療者向けの手引き作成-国がん

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2016年07月29日 PM01:00

必要な情報をエビデンスに基づき整理

国立がん研究センター中央病院は、がん患者に対するアピアランスケアの医療者向け手引き書「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」を作成した。これは、アピアランス支援センターの野澤桂子センター長を研究代表者とする「がん患者の外見支援に関するガイドライン構築に向けた研究(国立がん研究センターがん研究開発費)」班がまとめたもの。発行日は8月1日。

がん患者のアピアランスケアは、患者の外見問題の解決を学際的、横断的に扱う新たな領域とし、そのための個々の支援方法を「アピアランス支援:外見に関する諸問題に対する医学的・技術的・心理社会的支援」としている。

同センターは、治療に伴う外見変化に対処し、がん患者が自分らしく生活できるよう支援することを目的に2013年7月に開設された。手引きは、治療や患者指導、情報提供を行う医師、、薬剤師など医療従事者を対象とし、より良い治療や患者支援の方法を選択する際の指針となるよう、アピアランスケアに必要な情報をエビデンスに基づき整理した。

医学だけでなく、薬学、看護学、香粧品学、心理学の専門家も協働

治療編(化学療法、分子標的治療、放射線治療)では、がん治療によって生じる外見問題をまとめ、その症状に対する治療方法を検討。日常整容編では、医療の分野では取り上げられることの少なかった日々の生活、衛生習慣について検討している。患者からの質問で、エビデンスがなく今まで医療者が答えにくかった「治療が終わって髪の毛が生えてきたけれど、髪は染めてもいいのか?」「ざ瘡がある時の髭剃りは?」などについて、全体会議を通じたエキスパートオピニオンとして一定の基準を示している。

通常のガイドライン作成手続きに厳正に従い作成しているが、新たな領域であるため、治療編、日常整容編ともに十分なエビデンスが確認できない問題については、エビデンスのないことを明記したうえで、研究班のメンバーが討議し、エキスパートオピニオンとして対処方法を提言している。医学(腫瘍内科、皮膚科、放射線科、形成外科、乳腺科)だけでなく、薬学、看護学、香粧品学、心理学という異なる専門領域の専門家が、がん患者のアピアランスケアという目的のもとに、協働して作成した。

手引きでは、現在までに集積しているエビデンスを記すことによって、エビデンスの少ないアピアランスケア研究の現状と課題も明らかにしており、これらで示す指針や提言に基づいたアピアランスケアが医療従事者を通じ提供され、一定の水準が担保されることが期待されると、同センターは述べている。

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