再発または遠隔転移を有する頭頸部がんに対する効能・効果で
小野薬品工業株式会社は7月27日、ヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体「オプジーボ(R)点滴静注20mg、100mg」について、再発または遠隔転移を有する頭頸部がんに対する効能・効果に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことを発表した。
今回の承認申請は、第3相無作為化非盲検臨床試験であるCheckMate-141に基づくもの。同試験は、プラチナ製剤による治療歴を有する再発または転移性頭頸部扁平上皮がん患者を対象とし、オプジーボと治験担当医師が選択した治療(メトトレキサート、ドセタキセル、またはセツキシマブ)を比較評価したもの。
全生存期間(OS)を主要評価項目としたこの試験において、オプジーボ群で30%の死亡リスクの低下が認められ、OSの中央値は、オプジーボ群で7.5か月(95%信頼区間:5.5-9.1)であったのに対し、治験担当医師が選択した治療群では5.1か月(95%信頼区間:4.0-6.0)だった(ハザード比=0.70[97.73%信頼区間:0.51-0.96] p=0.0101])。
1月に早期有効中止、全生存期間で有意に延長認められ
あらかじめ計画されていた中間解析の結果に基づき、この臨床試験は1月に早期有効中止された。これは、独立データモニタリング委員会が実施した評価により、治験担当医師が選択した治療法と比較して、プラチナ製剤による治療後にオプジーボの投与を受けた再発または転移性頭頸部扁平上皮がん患者群において、主要評価項目である全生存期間で有意に延長が認められたと結論付けられたため。
頭頸部がんは頭頸部領域に発生する悪性腫瘍の総称であり、原発部位には口唇、口腔、鼻腔、副鼻腔、上咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭、大唾液腺、甲状腺および粘膜悪性黒色腫があり、国内における年間患者数(甲状腺がんを除く)は約2万4,000人と推定されている。
オプジーボは、世界初のヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体として、2014年7月に「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として、日本で製造販売承認された。2015年12月には「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対する効能・効果が追加承認され、腎細胞がんおよびホジキンリンパ腫についても、すでに国内で承認申請を行っている。海外では、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と協力し、現在、54か国でオプジーボについて承認を受けている。
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