8月3~5日の3日間、両大学の学生6人が高知県本山町にある町立国保嶺北中央病院(131床)を訪問。大阪医大の医学部6年生2人、看護学部4年生2人、大阪薬大の薬学部6年生2人が3人ずつ2班に分かれ、同院が展開するへき地での地域医療に同行する。
同院の医療チームが連携する地域の診療所に出向いたり、患者宅を訪れて診療を行ったりする様子を間近で見学し、へき地医療の実態を肌で感じる。「へき地医療はどんな問題を抱えているのかを把握し、その問題に対して医療チームや薬剤師としてどのように関わることができるのかを考えてもらうのが一番の目的」と大阪薬大臨床薬学教育研究センターの中村敏明教授は話す。
大阪医大が医師を派遣するなどつながりがあった同院での合同地域医療実習を、医学部と看護学部が以前から計画していた。その計画に薬学部も加わり、3学部の学生による合同実習が実現した。薬学部はこの合同実習をアドバンスト実習として取り扱う。
合同地域医療実習を皮切りに今後、医学・薬学・看護学の連携強化を段階的に進める計画だ。研究面では今年10月から、それぞれの学部や大学院で行われている研究の発表会を合同で開催する。相互の研究内容を知ることによって学部間の共同研究を促す。
教育面でも合同講義やチーム医療教育、3学部の学生がスモールグループディスカッションを行うチーム医療実習などを推進していきたい考え。3学部では薬学部の学生数が突出して多く、講義室の確保や人数のバランス調整など難題も立ちはだかるが、「学長同士で話し合いを進めている。できることからできる範囲で取り組んでいきたい」と大阪薬大の政田幹夫学長は話す。2~3年後には連携を本格化させたいという。
両大学は、少子化を控え単科大学としてそのまま生き残ることは難しいとの判断から今年4月、学校法人を合併し、理事会も統合した。
医療系総合大学を目指した大学づくりを進めており、5~6年後をメドに学校法人だけでなく両大学も統合して大阪医科薬科大学にする計画だ。