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アルツハイマー病の原因タンパク質、硬膜移植で促進の可能性-金沢大

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2016年06月22日 PM01:00

硬膜移植後CJD、孤発性CJDと比べて髄膜CAAや軟膜下Aβ沈着有意に多く

金沢大学は6月17日、硬膜移植後クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の患者の脳にみられるアルツハイマー病の病理学的変化について解析した研究結果を発表した。アルツハイマー病の原因タンパク質とされるアミロイドβタンパク質(Aβ)の沈着が硬膜移植によって促進された可能性があることが明らかになったとしている。


画像はリリースより

この研究は、同大学医薬保健研究域医学系脳老化・神経病態学(神経内科学)の山田正仁教授らの研究グループによるもの。研究成果は、ドイツの神経病理学国際誌「Acta Neuropathologica」に同日付けで掲載された。

研究結果によると、硬膜移植後CJDは孤発性CJDと比較して、髄膜CAAや軟膜下Aβ沈着が有意に多く、その程度は年齢やCJD罹病期間には相関を認めずに、硬膜移植から死亡までの期間と有意な正の相関を認めている。これらは、硬膜移植後CJD症例のAβ沈着は脳の表面から広がっていったことを示唆しており、移植された硬膜は脳の表面に置かれて、硬膜移植後CJD症例では移植された硬膜から直接Aβ沈着が広がった可能性があるとしている。

日本で151例、世界全体の6割以上

硬膜とは、脳と脊髄を覆う3層の髄膜のうち、一番外にある膜のこと。日本では,1973~1997年の間、脳外科手術などの時に硬膜移植が行われ、1980年代には年間2万件程度行われていたと推定されている。その後,硬膜移植を受けた後にCJDを発症する例が多発。CJDは感染因子プリオンによる急速進行性で致死的な脳疾患で、硬膜移植後のCJDは、硬膜からのプリオンの感染によって引き起こされたと考えられている。

日本ではこれまでに151例の硬膜移植後CJDが報告されている。現在も発症が続いており、世界全体の患者数の6割以上を占めている。

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